葉をひろげた ジャカランダ


 

 

  アシスタントが綴る 11月  

 

早朝の庭で深呼吸をすると、冷たく乾いた空気が ハッカアメのようにスーッと鼻に抜ける日が訪れるようになりました。棚上の植物はそれぞれに深く色付き、充実した秋を迎えています。その一方で 夏の激しい消耗のせいなのか、木ものは 早くも冬眠へ向けて 葉を落とし始めました。

小沼さんは11月の個展に向けて 苦手な値段つけ。時折 加藤さんに相談しながら、準備は着々と進んでいます。

加藤さんは 秋の展示がない分、じっくりと植物を観察しながら、取り込み時期を探っている様子。朝晩と日中の温度差がかなり出てきましたが、気になる植物の防寒に 新聞紙を夜間に被せる程度にして、過保護にならぬようにしています。

少し前に あうりんこ星では、青森のリンゴ農家 木村秋則さんの著作が話題になりました。自然栽培(無農薬・無肥料)でリンゴを育てる木村さんの姿勢は、心打たれることが多く、なかなか読書のすすまない私でも すっと読むことができました。
 目に見えない土の中のことを考え、 リンゴの木にとって 本当は何がよいことなのか、常識とされたことを もう一度 自分の目で見直して、しなくてもよいことはしない。私が想像できない程の苦しみのなかを歩みながら 木村さんが手に入れた真実を、少しでも日々のことに取り入れたいと思いました。

近年 具合のよくない庭木が目立ってきています。たくさん咲いていたリンドウも姿を消しました。いろいろな要因があるとは思いますが、私の強すぎる剪定や、見た目を気にして 必要以上に落ち葉を取り去り、表土を削るような庭整理も、よくなかったのだと思います。

そういえば・・・加藤さんにも 普段から「しなくてもよいことは しない。」「言う前 やる前に 想像してみること。」木村さんと同じことを よく言われていました・・・。
 なかなか修正がきかない私ですが・・・自分のしていることの その先を意識して、庭と向き合えるようになりたいなと思います。

 2015年10月24日  山田 ナオコ


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