野ガリヤス









 

 

  アシスタントが綴る 9月  

 

8月なのに 夏の気配がありません。
短い活躍の機会を奪われたセミが、小雨の降る中で やけくそ気味に鳴いています。
植物も 欲しくない水を毎日浴びて、くったりしています。できることなら すべてを
温室に取り込みたい気分ですが、見守るしかありません。

コガネムシの被害が甚大です。成虫が鉢の中に産卵し、生まれた幼虫が植物の根を
食べながら成長しているのです。
突然植物の調子が悪くなったり、ちょっと違和感を感じる鉢に触れてみると、親指の
先ほどに大きくなった幼虫に 根をすっかり食べられて 中がスカスカになっています。
ひどいものだと、手のひらに載るほどの小さな鉢から 5匹も・・・。
根がしっかり詰まっていた土の中はフンだけになっていて、ぼろぼろ崩れてしまいます。幼虫が大きくなるまで ほとんど変化は感じられないので、発見するころには、かなり深刻な事態になっているのです。
温室・外棚に関係なく、生態が安定した、持ち込み年数が長いものほどねらわれている
ようで、加藤さんと 盆栽町の頃から生活を共にした植物が、いくつも地に降ろされたり、植えかえを余儀なくされました。
かける言葉がありません。
そして、今のところ これだという対策法が見つかりません。
考えられることをいろいろ試しながら、毎日 植物を観察しています。

やれることをやっていても、どうにもならないことがあるな と 感じます。
それでも できることを手放さないで、気持ちを持って進めるかと 問われているような
気がしています。

西洋カマツカは 真っ赤に色づかせた葉を落としはじめました。
早々と 冬への準備にとりかかったようです。

 

 2017年 8月24日 記す  山田 ナオコ

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