2017年4月         


棚下の野草も 動きはじめている



原種のベゴニア



まどの向こう



末枯れの風景


 

水やりしていると 日に日に 植物が活発になるのが わかる。
ボケやレンギョウ ユキヤナギのつぼみ・・・ ミツバツツジも・・。
寒いからといって これ以上春を迎えるための手入れを
先に延ばすわけにはいかない。
まずは 防寒のために残しておいた カタヒバの枯れて
チリチリになった所を取りのぞく。
カタヒバはシダの仲間で 野草でも 木の鉢の中でも
胞子を飛ばして生息している。
盆栽ばかりか 棚下や門扉の周辺にも カタヒバの姿がある。
我が家では おなじみだ。

書帯草や弟切草など 数種が共存する 小さな鉢の中のカタヒバを
刈り込んだら 発芽したての 見たことのないシルバーグリーンの
粒々が あらわれた。
新しい仲間のようだ。
伸びはじめていたら 危なく一緒に刈り取ってしまったかも知れない。
こんなデリケートな芽がひそんでいるのだから 
慎重に鋏を入れなければならない。
ひとつ ひとつの 鉢の中で あらたな春がはじまっている。
「今年はもっと ちがうのだァ。」 そんな元気を発している。
隠れている 今年のはじまりを知りたくて 弾んだ気持ちで
手入れをしていたら いきなり寒い! ブルッとくる。
青い 晴れた空に 雪が舞っている。
温室の温度計は5℃。 お昼頃には13℃あったのに 
2時間足らずの間に 急降下している。
寒がりの私は 作業を中止する。
慌てて 家の中に入ってみたものの ガラス越しに写る光に満ちた
温室の風景に魅せられて カメラを持って 外に出る。
光のそそぐ あちら こちら 誘いにのってシャッターを切る。
寒いのに ふるえているのに 止められなくなった。
 

2017年 3月8日 記す     加藤 文子   



 

 




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