2022年3月         

春が動く


ガラス越し



毎日 描いている


一応 完成の箱


大きなモグラが 地中を動き回っているのではないかと思える程
庭のあちらこちら 地面が盛り上がっている。
重い踏み石も 大きく傾いている。
余程 寒さが厳しかったのか こんなに大きな地表のうねりを
見たのは はじめて。
水道管も 凍って破裂するのではないか と 心配するこのごろ。
赤い実がキレイなので 庭の南天や万両を変わるがわる 
小さな花瓶に生けている。
そろそろ新しいのに変えようと思って ちょうど良い感じの南天に
鋏を入れる。
茎に触れたとたん パラパラと実が落下した。
先月には そんなことはなかったのだが しばらく楽しませてくれた実も
役割を終える季節が 来ているのだろう。
食卓から近い所に植えた ツバキの古木は 蕾の先をわずかに開いて
朱色をのぞかせている。
モスグリーンの葉を 褐色にして 姿を残していたカタヒバ ここに来て
葉をチョリチョリに丸めて 干からびた様子を呈している。
目には見えない所で 新しい葉がスタンバイしはじめたようだ。
ベゴニアからも ほんのり甘い香りが届く。  開花のきざし?
夜間 寒がるのではないかと思われる植物のいくつかに 防寒のため
新聞紙のおおいをかける。
毎朝・夕 かけたり 外したりを繰り返すうちに いつの間にか
新聞の大見出しや人物の顔をぼんやり覚えてしまった。
その新聞紙も そろそろくくたびれている。
もう少し あと少しで こんな日々も 終わる。

2022年 2月10日記す     加藤 文子

  



土と鉢のはなし

 
 


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