2010年3月         

  

    2月はとにかく 寒くて 寒くて… 

 

 

 

カポックの小さな新芽が 限りなくかわいい。

スケジュール帳の3月のページに 「3月の陽気にまどわされるナ。
まだ まだ 寒さは戻る」と 大きく書いてある。
例年の反省から 心するよう 見出しに記したのだ。
寒くて仕方なかった数ヶ月、外仕事も途切れがちの日々が一変する。
突如、おだやかで暖かな日が訪れる。
頬をよぎる風のなんとやさしいことか。
待ちわびた春の日ざしに包まれると、スイッチが入る。 
気持ちがはずんで 春の仕事がしたくなる。
温室の中に取り込んでいた盆栽達を、外棚に移したくなる。
ひとつ ふたつ はじめは慎重に行っていたはずが
調子づいて止まらなくなるのだ。
しかし 春の陽気に浸るのもつかの間、再び寒さに見舞われる。
早まって出してしまった盆栽の中には、取り返しのつかないような
ダメージを与えてしまったものもある。
春が顔を出す すると 冬も負けじとまだ早いヨ と、がんばる。 
春と冬とが 出たり入ったり。
空っぽだった外棚に 盆栽が並ぶ風景は 新鮮でうれしいものだけれど
騙されてはいけない。
逸る気持ちに流されてはいけない。と、自分に言い聞かせよう。
静かに  落ち着いて・・・・・。
  
  ミモザは開花し始めた。
  ネコヤナギの花穂、ミツマタやボケの蕾もふくらんでいる。
  もう少しで 本当に春になる。
                         

 
           2010年 2月26日 記す   加藤 文子

     

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