イヌビワ
小さなイチジクに似た実がかわいい。
赤軸月見草・ウツボグサ
目が覚めるような黄色です。
キハギ みつばちがよく通います。 |
明日は いよいよ展覧会の搬入だ。
今日のうちに 植物を梱包して 車に積み込まなければならない。
なのに、昨日から カミナリと大雨が 止まない。
どんな手順でやろうか、早朝から ソワソワする。
とにかく 温室の軒をかりて 梱包をはじめよう。
そうして ちょっとでも雨が止んだら できたものから
車に運ぶことにしよう。
デリケートな若葉を痛めないように、枝葉を薄紙で覆う。
その要の薄紙が 雨で台無しにならないよう
うまく車に運び込まなければならない。
安全第一、ダメージ禁物!
小箱や新聞紙、薄紙を組み合わせて 包み込む。
今回は 30鉢を出展する予定だ。
気合が入る。
気持ちが持続できるうちに 呼吸を整えて 一気に行いたい。
「突然の来客、来ないでおくれ」 そんな事を思ってしまう。
手を止めると緊張が跡切れて 進められなくなりそうだから……。
雨が静かになって 辺りが少し明るくなる。
どんどん行くゾ 弾みを借りて ヤルゾ。
うれしいくらい はかどってきた。
雨が止む。整ったものから すかさず車に積み込む。
急いで戻って 残りを梱包する。 風船ゲームのようなスリル。
ひとケース 2ケース… 6ケース… 完了。
その途端 ポツリ ポツリ 大粒の雨がボンネットで跳ねる。
しかも空気も急激に冷たくなる。
終わったところで こうなるとは… 何てついているのだろう。
安心したのか 昼食もリラックスできて おいしい。
けれど お腹がいっぱいになると 気力も失せて 力が抜けた。
外は冷たい雨だし お弟子さんも早く切り上げて
休んでもらうことにする。
とはいえ まだ2時。翌月の原稿を少し用意できればと思い
書き始めるものの 調子が出ない。
だらだらペンを持て余すうちに いつの間にか5時を回っている。
台所の椅子にすわって肘をついたまま 外を見る。
雨はすっかり上がっていた。
グレーがかった水色の空。
どこかで見たような 懐かしいような
いい感じの ひっそりした夕方の空。
荒井良二さんの 絵本の表紙の空だったかしら…。
アーァ アッ! 素直に本当のお仕舞にしよう。
2010年 5月26日のメモ書きから 加藤 文子
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