2010年12月         

 

    ミルク色にとけた朝のシーン



     サルココッカの実が 小豆色に・・・

 

 

       シシシノブの最終の色

 

 

           絵画的?

 

毎日が年追うごとに はやくなっている。
おやすみなさいと 布団に入る。
間もなくおはようと  布団から這い出す。
どちらも 今さっき行ったことのように思えてしまうこの感覚
一体 どうしたものか。

今年は特に 特別急行に乗り込んでしまったような気がしている。
数ヶ月先のお約束が あっという間に当日となる。
ずっと先の事でも 時間があるとは思えないような このごろである。
カレンダーも 残り一枚となった。

今年の盆栽の取り込みは 11月中旬から行った。
例年は10月末には 外棚の盆栽を温室へ移しはじめるのだが、
今年は雑木の落葉も 野草の末枯もゆっくりで、
いつまでも晩秋の庭を見ていたい
という気持ちも手伝って 作業を延ばしてしまったのだ。
風知草 ワイルドオーツ アシ・・・の黄金色。
その中に茎も葉も紫色になったリンドウが咲いている。
山こうばしも 木萩も コナラも ・・・ キレイだった。

窓越しにながめる 晩秋の庭。
朝日の中でミルク色に溶けて見える盆栽達。
昼時は キラキラしてて 見つめているとボンヤリしてしまう。
そうして一日の終わりは 入日の中でもえている。
同じシテュエーションでありながら 朝 昼 夕 
映し出される光景はさまざま。見飽きない。
なかなか枯れ葉を刈り込む気になれなくて 
とうとう半月延びてしまったのだ。

連日霜が降りるようになったので いよいよ取り込みを開始する。
雪もいつ降り出すかわからない。寒さも厳しくなってきた。
先延ばしした事と 連日の来客も重なって 
忙しさに拍車がかかった。

取り掛かりの時に 毎回同じ思いがめぐる。
いつものことながら 量の多さに圧倒されて 
納まるのかどうか心配になるのだ。
これらすべてをしまい込むことが本当にできるのだろうかと・・。
作業を進めるうちに工夫も生まれて、棚下に納めたり 
五徳を活用してなんとか片づけることができた。

終わってしまえば 大した事ではないような気にもなるのだが、
気の休まらない慌ただしい数日だった。

ひと段落したあとは お年賀状の準備が待っている。
こちらも 半月遅れている。
そういえば 新年を迎えたのも 先頃のことのように思える。

          

        2010年 11月23日 記す   加藤 文子

    

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