2012年1月         

   雨のあと。残照の中で



 大実ヤブコウジ  何度も撮りたくなる色です。



        ヒトツバ

 

言葉が出ない ことばが出てこない
朝からそんなことに思いをめぐらしながら 温室の窓を開けに出る。
空気が冷たくて 頭がツーンとする。
霜の降りた外棚や車が 朝日に反射して まぶしい。
日の射しはじめた所を通過すると ほんのり暖かい。
朝は寒くても 日中は暖かくなるのかも知れない。
窓を開けて 温室をひと回りしてから 中へ入ろうと
玄関の扉を開ける。
射し込んだ光に映し出されたシルエットが 正面の壁で揺れている。
  何て キレイなの・・・
カメラを取りに 食堂に駆け込んだ。
光が逃げないうちに つかまえなくては・・・。
パートドヴェールの小さな器のシーンを中心に
角度を変えて数枚撮る。
はじめて見たような光景。
どうして今まで気付かなかったのだろう。
気持ちがもっと と言っている。
温室からぶどう色の実をつけた 小さなフクロモチの盆栽を運ぶ。
チロチロ 木漏れ日のように耀う壁を背景に 
再びシャッターを切る。
光に包まれたフクロモチが 少し頭を傾げて立っている。
  幸せかナ・・・。
いい朝を迎えた と 思った。
  アラッ?  ことばが並んでいる。
          
             2011年 12月19日 記す  加藤 文子


      
           フクロモチ  光に包まれて・・・

あうりんこスケッチ2011にもどる