ガラスが反射して
エメラルド色が映っていたのですが・・
天井の布が 光にとけてきれい。
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長い間楽しませてもらったツルウメモドキの実を取り除く。
冬の間は鋏を使う用事もほとんどないので
鋏を持つのも
久しぶりだ。
変わらず悦郎さんの鋏は良好で、刃を重ね合わせる時の
シュッシュッという微かに空気を切る音も心地良い。
数分のうちに作業台は朱色やカドミウムイエローの色彩で
いっぱいになる。
黒い天板の上に明かりが点ったように見える。
一方 枝先から実を失った木の表情は一変する。
笑顔が消えて 真顔になった瞬間を想起させる そんな感じだろうか。
屈折しながら伸びる著者な枝や 節々の様子がよく見える。
左右に走る枝の動きや 細かく刻まれた沢山のシワも
クローズアップされる。
同じ木でありながら 別の世界を見ているような気がした。
私は一体 この木のどこを見て 知っていると思っていたのだろう。
艶やかな実に気をとられて 見ていないものがあったようだ。
認識の在処の覚束なさを改めて思った。
ツルウメモドキは 実生から15年目の春を迎える。
2012年 1月28日記す 加藤 文子
ツルウメモドキ |