2014年1月         



音楽と 一緒  

 



アトリエで

 

 


机上の タニワタリ

 

 

ガラス棚のオブジェ


皆様 2014年も よろしくお願い致します。

 



車で上京する用事ができたので 例のごとく 車中は音楽。
今日の一番は 高田渡のトリビュート盤を選ぶ。

─ 三条へいかなくちゃ・・・─ ではじまる「コーヒーブルース」を
聞いたのは 40年程 前のこと。
イノダのコーヒー屋が登場する唄である。
当時 私は高校生。喫茶店で友人と待ち合わせすることを
覚えはじめた頃だった。
音楽が良く 雰囲気があり・・・そんな場所を 求めていた。

家でドリップして コーヒーを飲むなんて 
よほどハイカラな家庭でない限り 考えられない時代。
あるのは インスタントのネスカフェだった。
だから 喫茶店で コーヒーを飲むのは 苦みや香りが大人っぽく思え、
本当の味に浸っているようで 特別の感じがしたものだ。

イノダ・・・京都のイノダって どんなだろう。
京都に行ったら ぜひ 訪ねてみたい。高田 渡に会えたりして・・・。
そんな思いをふくらませて 渡さんを聞いていた。

ある時 友人が京都へいくことになったというので、イノダのことを
伝えると、頼みもしないのに おみやげに イノダのコーヒーを
買ってきてくれた。
おみやげは うれしかったけれど コーヒーを淹れる器具もなければ
淹れ方も知らない。
結局 封も開けず 赤いパッケージを ほこらしげに
部屋に飾ってながめていた。
イノダが近くなったようで ゴキゲンだった。

近頃は 喫茶店に変わり CAFEが主流をしめているようだ。
両者のちがい、使い分けが わかるようでわからない。
自家焙煎のおいしいコーヒーを飲ませてくれる所や
オシャレなのも 沢山ある。
カフェロジィなる 言葉も 耳にする。
いつの間にか 特別は日常に定着し、特別ではなくなっているのだろう。

CAFEはさておき 唄を聞いていたら
イノダや 石のテーブルのあった 新宿の凮月堂のことが
とても なつかしくなった。
音楽や映画や 詩や・・・様々なジャンルをめざしていたであろう
人々の集う姿や 空気が 店の情景と共に ボンヤリ浮かぶ。

─ あんなところ 今はない
   あんな空気 今はない
   僕の小さな青春が 息をしていた ─

 

 

と 唄う 早川 義夫の「凮月堂」も いい。   

2013年12月20日記す     加藤 文子

 



最後の光・・・

          

 

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