2014年7月         


カイノキ


外の景色を移す  G.Genkai
撮影 スージー・キム



ネコヤナギ  目線が・・・ G.Genkai



光が くぐる

都内で 6月に盆栽の展覧会をさせて頂くのは 久々のこと。
通常 6月ともなれば 春からの活動が起動に乗って 安定した様相を
見せてくれるハズなのだが・・・。
いつまでも陽気が定まらず 心もとない姿をしているものもある。
10℃近く アッップダウンがくり返されるという 極端な日もあった。

蕾のまま いっこうに開花のきざしを見せない野草。
雑木の新緑も どこかひ弱に見える。
そんな訳で 展覧会が近づいているのに 候補が決められない。
あれかしら これかナ・・・ 念ずるように思いを凝らす中から
搬入を目前にして ようやく植物を選び出すことができた。

ところが・・・決定に安堵するも つかの間 それまでとはうって変わって猛烈な暑さに見舞われることになった。
温室の中は 40℃を越えていた。

会期中に開花をのぞんでいた 有力候補のウツボグサや姫月見草などが 
スピードを上げていっせいに咲き出した。
まるで早送りの画像を見ているような展開だった。
先を考えて 出展は断念することにした。

ならば 他に手を挙げてくれる植物はいないかしら。
庭をめぐって 捜してみる。
捜している時は見つからず 水やり途中に 
目の前に飛び込んできた野草があった。
夏の日差しにも負けない植物達を置いている 入り口正面の棚に
ニワゼキショウやユーパトリウムの元気な姿があった。
思いもよらない植物だった。
けれど 溌剌とした様子がとても良くて こちらを加えることにした。

いよいよ搬入の当日 梱包を解いて ギャラリーの黒の大理石の
展示台に載せた瞬間・・・キレイだと思った。
黒を背景に キレイに映っていた。
ニワゼキショウの紫の小花と 花後に結実した 丸い実の重さで
具合良く茎がたわんで カーブを描いている。
空気が動くと わずかに揺れる。
那須の庭で見ている時より もっと楽しげに見える。

小さな盆上の叢が ご来場の方々からも 沢山ほめて頂くことになった。

2014年6月22日 記す     加藤 文子

 



満開の ローザリンダ

          

 

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