2017年2月         

冬の色

 

寒さに耐えて


まだ 食べられていない


小さなヒトツバ


 

たわわに実っていた 庭の西洋カマツカの実が 小鳥達に食べ尽くされた。
また ひとつ 庭から色彩が消えた。
赤や紫の色彩のなくなった庭は厳しい冬の訪れを実感させる。

今日は 今まで以上に寒い朝を迎えた。
冷たさが 顔をさす。
車のフロントガラスは かき氷のような シャリシャリした霜に
全面おおわれている。
盆栽棚も パール色のビロードを敷きつめたように 光っている。
温室の温度計は マイナス3度。
水がめは 氷が張っている。
蛇口をひねっても 水も出ない。
日中の水やりまでに 水道が使えるようになれば良いのだが
今日の凍り方は 半端ではない。
寒いとはいえ 太陽が顔を出したので 寒さよけに施した新聞紙の
おおいを 取りのぞく。タニワタリの木や 窓ぎわのヒトツバなど
夜の間 新聞紙をかけて保護しているのだ。
11月から使っている新聞紙は 毎日たたんだり 広げたりしてきたせいで
ところどころやぶけている。
しばらく使うことになるので 新調しよう。
そんなことを考えながら 新聞紙を片付けていたら 
温室の窓ガラスの氷の結晶に 朝日が当たってダイヤモンドのように
キラキラしているのが目にうつる。
そのクリスタルの輝きに 思わず手が止まる。
小さな雪印のマークのようなのが 沢山光っている。

寒いのは苦手だけれど とことん寒くなったから こんな美しい光景に
出会えたのだ。
寒さにめげてはいられないと思った。


2017年 1月7日 記す     加藤 文子   

 



 

 




出窓のシルエット

 



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