じょうろを握る指先が 痛いほど冷たいこのごろ。
コナラの木は すっかり落葉して 山からは 粉雪や風が 裸の木々の
あいだをぬけて 降りてくる。
朝 温室の温度計は マイナス3℃だった。
氷のパウダーがまぶされて 辺り一面 白くおおわれている。
寒いはずだ。
日中晴れても 温度は上がらず 洗たくものは 乾いても冷たい。
夕方 早めに温室のまどを閉める。
日が傾いた頃 デリケートな植物に 防寒の新聞紙をかけて
外仕事をしめくくる。
新聞紙をかけながら 向かいの牧草地に目をやると 防風林が
夕焼けにふちどられて 横に並ぶ木々の様子が くっきり映る。
防風林のうしろに 火が灯されたかのように オレンジ色が輝いて
チロチロしている。
身のひきしまるようなツーンとした空気の中でみる光景は
特別に思える。今日も一日ありがとう。
ここに居られることにありがとう。
音楽を聞くのは 主に 台所仕事と 運転する時。
先日友人が ボズ・スキャッグス を 送ってくれた。
それを聞きながら ネギを刻んだり ショーガをすったり
ぬか漬けしたり・・・ ナベの下ごしらえとか している。
ボニー・レイットのかすれた声も 聞こえてくる。
今にちょうど良くて うれしい。
大根や白菜が豊富なので ナベにして暖まることが多い。
干しがき ゆずのジャム ゆずピール・・・土地の方々がつくる
季節の食品もありがたい。
那須に移住して 大地の恵みの尊さを知った気がする。
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防風林が・・・
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