2019年2月         


窓にうつる 雪景色


温室の中は 静か


棚下の みどり



朝霧草の モシャモシャ



 

朝から 本格的に 雪が降っている。
こんな日は 昼間も温室の窓は閉めたままにしている。
9時をまわる頃から 幾分寒さもゆるんできたので 水の確認を
するついでに 寒さよけの新聞紙の覆いをはずしに 温室に入る。
雪が外界の音を吸い込んでしまっているのか 中は遮断されたように
しーんとしている。
棚の間をぬける 私の足音が カッカッと響く。
新聞紙をはずして畳む時 シャッシャッと擦れる音も・・・。
いつもは聞こえない音。息づかいすら・・・。
私はここに居る と 感じさせてくれる 特別な感覚。

温室といっても ヒーターなどで暖めてもないのに
棚下の植物は 蒼々している。
厳寒期を思わせる光景からは程遠い。
鉢中から胞子が飛んで 共生するタニワタリや オサシダなど
葉を広げて連立するシダ植物。
鉢ではうまく育たなかったので 棚下に移動したら 俄然元気をとり戻した
シュガーパインや ハートカズラは 棚足に絡み付きながら生い茂っている。
ハート型の肉厚の葉を先端につけて ストローのような茎を勢いよく
伸ばしているのは 早春の開花を控えたシクラメンの原種。

降りしきる雪や 軒先の氷柱。活動を停止しない温室のみどりたち。
同じ冬の空の下で 異なる気色をみている。

 


2018 12月 30日記す     加藤 文子   




おごそかに


 



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