2019年12月         


虫のオブジェ


叢のリンドウ



流木のヒトツバと大文字草



机上のヒムロ


夫がいつの間にか シェルブールの雨傘を 録画していた。
10代の頃 都内の小さな映画館で 再上映されたのを観た記憶がある。
カトリーヌ ドヌーブ と ミシェル ルグランの音楽は覚えていても 
内容はかすんでしまっている。
どんなだったのだろうと思いながら 観た。

驚いたのは 衣装や背景の色彩の美しさだった。
目の覚めるような赤やブルーや黄色の配色。
街のシーンも 人物の配置そのものが絵画的だ。
入念に制作された ひとコマ ひとコマにみとれていた。
ミシェル ルグランの音楽が いっそう画像を印象的にしている。

感動したことを お弟子の I 君に話したら ロシュフォールの恋人たちの
DVD を貸してくれた。
こちらも ジャックドゥミ監督とミシェル ルグラン。
シェルブール といえば ロシュフォール  いつもセットで思い出す。

それにしても I 君が ロシュフォールを持っているのも 驚きだった。
ロシュフォールは 3回くらいは観ている。
最後に観たのは 20代半ば 日本橋 三越劇場だった。
気持ちがブルーだった頃 通りすがりにポスターを見かけて 
もう一度観たくなって フラッと入ったのだった。
心が明るくなりたかったのかも知れない。

フランソワーズ ドルレアック と カトリーヌ ドヌーブ 姉妹が 
双子の役で共演。
ピアノのある部屋で2人が唄う「双生児姉妹の歌」
ミファソラミレ レミファソソソレド・・・ 覚えてしまっている。
共演者も すごい。ダニエル ダリュー ジャック ペラン 
ジョージ チャキリス ジーン ケリー ミシェル ピコリ・・・ 
そうそうたるメンバーだ。

しなやかな動き 晴れた空 噴水のある広場・・ カフェ・・
白とピンクを基調にした 空間描写・・・。
シェルブール同様にすばらしい。
快活に生きるテンポが よみがえって脈を受つ。

落ち葉を掃いている時 水やりをしていても・・ 劇的な音階がついてくる。
シェルブール から ロシュフォール へ・・・
行ったり来たりしている。
あらたな発見 とても良い時間になっている。

今朝 温室は2℃。
下の方は とっくに落葉したのに 赤い茎の先端で しがみつくように落ちないでいるミソハギの紅葉が 風になびいている。

2019年 11月 9日 記す 

今年も ありがとうございました。   加藤 文子   




今年のドライオブジェ    さいたま市 アルピーノで


 



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