朝のひと仕事を終えて 休憩を入れる。
台所のテーブルに腰かけて いつものお灸を施す。
お灸の煙をくゆらせながら ボォーッと 外をながめている。
ほとんどの雑木は紅葉したり 落葉したり・・・
野草の草もみじも加わって 秋の深まりと共に 庭はしっとりとしている。
ひところ盛んに飛び交って楽しませてくれていた モンキチョウ
そのチロチロ揺蕩う姿も 終わりに近づいている。
ふーん ふーん と 庭をみていたら 温室脇の棚上の
西洋カマツカの実生林のひと鉢に 目が止まる。
紅い葉を 数枚のこすばかりで 連立する華奢な幹や枝もようが
いっそう際立って見える。
それぞれがちょっと交差したり わずかに屈折させたラインを
描きながら 上方に向って伸びている。
しなやかな流れ・・・ 動き・・。
細さの中にどこか強さを秘めたような姿
描写しようにも描けそうにない。
いつごろから こんなに美しいラインをひいていたのだろう。
種をまいた時から 30年は経過していると思うが・・・
水やりをするたびに見ていたハズ
今頃気づくなんて 一体私は何を見ていたのだろう。
時間 というもの
一足飛びには表現できないもの や 事 のことを 改めて思うのだった。
キンモクセイの甘い香りの漂う庭の日々が過ぎ
那須の秋らしい冷たい風に吹かれながら 庭や棚上に落ちた木の葉を
取り除いたり 冬の取り込みを考える季節が到来した。
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今年は貴重な花 |
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