2021年5月         

ギャラリーの踊り場


あふれ出す



ツルニチニチソウから



岩ヤツデの 星のような白花も


冬のあいだ 温室にとり込んでいた盆栽を 陽気に合わせて
外棚へ移動させる。
気温の変化にも ダメージを受けにくい松類を筆頭に まずは軒下
デッキぎわから寒さに慣らしながら 順次 出して行く。
大風が吹いても安全だと思って 軒下の壁ぎわに 大きな赤松や
黒松の株立ちを置いた。
なんと その晩から 明け方まで すさまじい風が吹き荒れた。
翌朝 目にした光景は なぎ倒された松であった。
こんな事態は はじめてだった。
ここが 安全でないとすると 他にどこがあるのか 適当な場所が
思いつかず 再び温室に戻す。
冷たくて 途方にくれるような容赦のない風は 数日つづいた。
陽気に浮かれてばかりいては ネ・・
注意も怠らずに ネ と 春の嵐はたしなめるのだった。
そんな思いを刻んだ でき事だった。
間もなくのこと 突然 気温は上昇。
冬眠から目覚めて 覚束ない様子の植物たちも スイッチが入ったのか
一斉に活動をはじめた。
朝 わずかに新芽の気配を知らせたヤシャゼンマイ 夕方には
グルグル巻き込んだ小さな拳を立ち上げている。
岩ヤツデも ストローに似た茎の先端で星のような白い花をかざしている。
あちらでも こちらでも エネルギーが炸裂している。

春のシンフォニーの まっただ中に 居る。
コンダクターは・・・ 妖精としておこう。

2021年 4月10日 記す     加藤 文子

  



そっと のぞいてみた

 


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