2021年8月         

ブローチにしたい


今年は花がたくさん・・



昼下がり



ずっと動かない


今回の Weekend gallery の展示は 21年育てているイヌビワを
メインに考えていた。
左右に伸びた細い枝がしなやかで リズムもあって 
色々な展覧会場でもご覧いただいている。
正面にイヌビワ・・だとすると キャビネットの上は シンプルな
ミドリの生え揃う 水トクサがあいそうだ。
机上は くるっと巻いた足のついた鉢の ビクノニアやヤシャゼンマイ
などが共生する 小さくても 動きのあるものでは どうか。
と・・していたが・・・ ふと 32年生の朝霧草やカヤツリグサなど
数種がくらす ひと鉢が思い浮かぶ。
朝霧草の鉢をギャラリーの正面に据えてみると しっくりくる。
安定感のある鉢中で 朝霧草の銀白色のすずやかな葉が
四方に流れ出ている。その様子も季節感があって良いと思った。
メインが変わると 決めようとしていた 他の2つの植物とのバランスが
気になってくる。プランを練り直す。とはいえ 捜しまわる訳ではない。
頭の中で ギャラリーの空間を思い描きながら 外仕事をする。
水やりなどして 棚を回っていると ハーイと手をあげてくれる植物に
出合うこともあるので すっかり忘れてしまわない程度で 用事を
行っている。

夕方 遅く 最後の水やりをしていたら 蔓を無造作に伸ばした
小葉性ツタが目に入る。
朝霧草と小葉性ツタの組み合わせ・・・うまく行きそうだ。
最後のひとつはと・・・立ち止まった棚の先に40年生のコフジが
居ることに気がつく。
長年 育てていても フォルムはほとんど変わらない。
私には 気まじめ そんなふうに映る。
明るいみどりの サンショに似た細やかな切れ込みの葉が キリリと
していて 涼しげだ。
柔らかなラインの2鉢と リンと立っているコフジ この3つを飾って
みようと思った。
それぞれ 個性を引き立てあって 陶の作品とも つり合っている。
今回は これで行ってみよう。


2021年 7月9日 記す     加藤 文子

 

  



ひかりのにわ

ギャラリー田谷にて
 


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