庭前方の西洋カシワが 大きな葉をはためかせて 風を包むように
ゆれている。
風とたわむれ 朝日をいち早く受けて ずっしりとした姿で いる。
父親がヨーロッパから持ち帰った種を 実生したものであったと思う。
発芽した中から 一本をゆずり受けて 育てていた。
大らかな葉をみているうちに 盆栽として育てるより 庭先で大きく
なった方がふさわしいように思えて 移植したのだった。
30年近く経過して 井戸の脇で 御神木であるかのような落ちつきで
立っている。
数々の思いがわいてきて じいっとみていた。
そんな朝をあとにして 今日は都内へ向けて 車を走らせる。
前方 遠くに見ていた景色が またたく間に後方へと消える。
日々の経過も 同じよう。
約束が 当日になり・・・ 昨日になって あっという間に過ぎて行く。
喜びに満ちた日々が 名残惜しいと浸っている場合でもなくなっている。
オレンジ色の花を たくさん咲かせたビクノニアの 花後の植え替えも
終えた。
ビックリグミの熟した実を 間もなく鳥が啄みに来るだろう。
そしたら 植え替えしよう。
梅雨入り? 台風がくる? 日差しが強くなって・・・・
そうだ 寒冷紗を張らなければ・・・
蚊取り線香も うちわも出して 風鈴も吊そう。
日々の出来事 出会いが 風のように通り抜けていく。
TE HANDEL の思い出
photo Suzi Kim
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