2024年9         

中国草ボタン


夕方の木立


何も語らない


水がめの脇で


毎年11月頃 Aレストランにお届けする ドライオブジェの制作を
はじめた。
7月のあいだは 遠いことのように思えていたのに 8月に入ったとたん
作らなければのムードにきりかわる。

素材は 庭にある数種のアジサイや アヤメや 白山吹の実などが定番。
これらをベースに 風知草や ワイルドオーツの花穂を合わせてアレンジ
する。アクセントにサンキライの実や 天狗の鼻といっている 山イモの
光沢のある羽のようなヒラヒラを あしらってみたりしている。
日々は あっという間に過ぎる そう思うと のんびり構えているわけには
いかない。
作っていると よけいそんな気分が高まって ひとつ ふたつが
やめられず 6つくらい できてしまう。
8月 温室の作業場は 35℃・・・時には40℃近くになるので 朝は
早いうちに制作する。
つくりはじめはいつも 今年はつくれるのかしら と 不安がよぎる。
ドライになった植物を見ながら 選び出して 組み合わせていくうちに
まとまってくる。
手を動かしていると なんとかなるから 不シギだ。
5つくらいでき上がった頃から 見通しがつきそうな気分になって
安堵する。つくれるだけ作って 最終的に選び出す。
良くできたと思うものが あとになって そうでもなかったり
時間がたつと印象が変わることもある。
だから 沢山つくって 余裕を持ちたいと思う。

母が好んだ 中国草ボタンや ユーパトリウムや ギボウシのうす紫色の花が
思い出と共に咲いている。
 

2024年8月9日 記す   加藤 文子

 

光が届きはじめる