庭先に 数種のキノコが 姿を現している。
小さくて赤色の光沢のあるのや 白色・茶色の大きな傘のやら
いろいろだ。
食用かどうかわからないので 手を出したことはない。
40年程前になるだろうか。
さいたま市盆栽町在住の頃 知人が森で採取したキノコを持参して
我家の台所で調理して キノコ汁をごちそうして下さった。
知人夫婦と幼稚園児の娘さん もう一組 友人夫婦が加わって
食卓を囲んだ。
天然のキノコをいただくのは はじめてであったが・・・
香りが何とも言えず 純朴な味わいは格別だった。
四畳半の狭い部屋で 遅くまで話がはずみ 楽しい夕べになった。
その後 天然のキノコを食したのは ミラノの友人をたずねた際
キノコのリゾットパーティーに誘われて参加したのと 2回程だ。
生クリームとトマトのベースのソースであえたキノコのリゾットを
いただいたあとで 村人と一緒に 畑のぶどうを食べながら
種を飛ばして競ったことも 心に残る。
いずれも 秋ならではの ひとコマだ。
秋の虫 遅く咲き出した 百日紅・・・秋海棠の花は あふれ こぼれ出し
みどりだったコムラサキの実は 紫に・・・。
夏とは違う どこかしんみりしたような大気の庭で
ずいぶん前のことが 思い出されるのだった。

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こぼれそうに咲く |
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