雪国









 

 

  アシスタントが綴る 3月  

 

晴れた日の朝 温室の窓を開けると、強い日射しに温められた土の匂いを感じるようになりました。木々の芽がぷっくりと色づいて、枝先を赤く染めているものも。
いつの間にか それぞれがしっかりと春を迎える準備を始めています。風はかなり
冷たいけれど、冬の終わりが近づいています。

1日の大部分をカレンダー制作に費やした ここ2ヶ月。こちらもゴールが見えて
きました。そろそろ気持ちと動き方を 切り替えなくてはならないのですが・・・。

先日 ようやく開いてきたタニワタリのやわらかな葉に アブラムシを見つけ、綿棒で除いていたら・・・折ってしまいました。年を重ね 成長がゆるやかになったタニ
ワタリが、大切につけたであろう若葉です。慎重にするべき作業でした。
気をつけなければ と思いながら、 同じようなことをいくつか繰り返してしまい、
植物のリズムに合っていない 冬仕様のままの自分を実感しています。

植物の休眠期を生かそうと始まったカレンダー作り。植物と関わるタイミングを
待つ間を充実させるための仕事のひとつです。大切にしている作業ですが、夢中に
なりすぎて 肝心なところに気がいかなくなるのでは 意味がありません。

植物のリズムは これからどんどん速くなっていきます。楽しめるように、あとから
悔やまないように、私も春の準備にとりかかりたいと思います。

 

 2017年2月15日 記す  山田 ナオコ

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