松を出してみる

 

 

  アシスタントが綴る 5月  

 

あうりんこ星のお隣り、牧場にある一本の桜が 一気に満開です。
青空に 花弁のかすかなピンク色が映えて鮮やか。牛も気分がよさそうに見えます。
だらだらと冷える日が続き、カレンダーの文字だけが春を示しているようでしたが、
ようやく体感できるようになりました。

安定しない陽気に 植物も苦戦をしているようで、同じ鉢の中 同じ種類でも芽出しに差がでていたり、未だ身動きしない なんだか心配な様子のものがあったりします。
室出しも かなりスローペース。
風当たりの穏やかな軒先や 温室に近い棚に、年を重ねた木々や丈夫な草ものが並ぶようになりましたが、庭の棚 全体にひろがっていくのは まだまだ先になりそうです。
温室から植物をだすタイミングや順序に、決まったことはありません。
植物の様子や その年の天候をよくみながら 作業をすすめていきます。
通常は加藤さんが一人で。大きなものの移動の時は「おーい」と声がかかります。
今日は 大きなチリメンカズラを家の軒先から 風や光のあたる庭の低い棚へ移動しました。空いた軒先には 温室で活発に動きだしたクロネコヤナギをもってきます。
「おーい」の声が多くなるのは、朝晩の冷え込みが もう少しゆるんでからになるでしょう。    

大丈夫になったら進む、ちょっとでも危ないと感じたらとまる。
単純なことのようで、いろんなことで頭がいっぱいになっていると 感じることが
むずかしいような気がします。
植物は置かれたところで成長し 変化していきます。
そばにいる私たちが、その時 ベストと思われる選択ができるかどうか。
とても大事なことだなと思います。

 

 2017年4月16日 記す  山田 ナオコ

 

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