小さな箱









 

 

  アシスタントが綴る 3月  

 

まだまだ寒いですが、日差しは春めいてきたように感じます。
朝 温室をあけると温まった土が香るようになりました。
鉢の中 棚の下 あちこちでひらく小さな花。寒さに気を取られていたら 逃してしまう
早春の気配を つかまえられるようになりました。

Ⅰ・2月は カレンダーの制作期間。
ほぼ一人で行っていた最終的な作業を、今年は I 君が手伝ってくれています。
「単純作業は 得意なんです」と、カレンダーのプリントされた紙を 黙々と切る I 君。
これは いい。段取りができていれば、スムーズに進みそうです。
束の間 そう思いましたが、長年 自分の都合に合わせて 進めていた作業です。
お願いする前段階の 私の仕事が 間に合わなかったりして、ちょっと慌てています。
彼には いろいろな仕事を間に入れながら 手伝ってもらうため、困るという程のことではありません。でも お互いが 気持ちよく仕事をするために、 前にも増して 段取りが大事だと思うようになりました。

春を迎えれば、すぐに植え替えの季節。
土の配合や 土ふるいも、時折 I 君にお願いします。
私は 用土を準備したり、ふるいのがたつきなどをチェック。それと、質問されそうな
ことを調べておきます。
桐生砂とひゅうが土のちがいは? 桐生のアクって何だっけ?
忘れていること、疑問に思いもしなかったことを尋ねられる時があるので、少し復習を
しておくようになりました。

できることをしながら 春を待っています。


 2018年2月10日  記す  山田 ナオコ

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