野紺菊に何度も


 

 

  アシスタントが綴る 11月  

 

朝の空気が、まだ幾分 気持ちがよいと感じられる10月24日。
明日は、がくんと気温が下がる予報が出ています。ホッカイロを準備せねば。

周囲のコナラ林から、どんぐりが 屋根を叩きながら落ちてきます。すぐに根を張りたがるため、拾い集めながら敷地の隅に目をやると、見慣れない大きな若葉があちこちに
顔を出しています。
この時期に芽を出すとは、いい度胸。根元を少し掘りかえすと、ひまわりらしき種の
外皮がくっついています。んん?
周りを見渡すと、同じものがパラパラと落ちています。まるで蒔かれたように。
このあたりでひまわりを見かけたこともなく、小動物の落し物のようでもない。
小鳥? 風?
日照不足か いやに長く茎を伸ばし、寝そべってしまっている幼いひまわり。
ささやかな不思議を、しばらく観察しようと思っています。

このところ、うっかりすることに拍車がかかってしまい、5分前に打ち合わせたことを つるんと忘れたり、びっくりする勘違いをしたりしています。
先日は、ギャラリーに植物を展示するのを忘れてしまいました。何か別のことを思い
ついて、その前後が飛んでしまったのだろうと思います。
来客を迎えた加藤さんが 慌てて展示する、そんなことが続いてしまっています。
私は全く忘れてしまっているので、「記憶にございません」と語る政治家を なんだか
笑えない事態なのです。

「 山田さんは、そういう特徴なのだから 受け入れつつ、でも 工夫はしよう」
と 加藤さん。
穏やかに生活しているせいか、確実に変化していく自分自身を それほど認識してこなかったのですが、そんな場合ではないようです。
確かに体力は落ちているし、体調を崩した時の回復の遅さは、不安になってしまうほど。
頭の中だって、より 自分の都合のいいように解釈したり、一度に理解できることが
少なくなってきているのが 現実です。
この先も 次々に起こってくるだろう そういった変化を、上手に受け止めるには
どんな工夫をしていったら良いのか。
考えながら 過ごしています。

 

2022年 10月25日 記す  山田ナオコ

 

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