ギャラリーに飾る


 

 

  アシスタントが綴る 4月  

 

頬を切るように冷たかった風が、あるときふっと温かく感じる。
歌うような鳥のさえずりが あちこちから響いてくる。
鳴き始めが ケキョ ケキョとうまくいかないウグイスも、どこで練習していたのか
今年は最初から、上手に ホーホケキョ と 鳴いています。
目の前の 青くなり始めた牧場には 肥料がまかれ、なんともいえない匂い。
3月に入り、みるみる春がやってきています。
気持ちが明るくなりかけた矢先。

16日深夜、大きな地震がありました。
湯船に浸かりながら 揺れが収まるのを待っている時間が、かなり長く感じました。
速報を見ると、震度5弱。家に被害はほとんどありませんでした。
震度6強だった 仙台の妹家族は 無事。
南相馬でバラ園を営む叔父夫婦も、翌朝 連絡が取れました。
あうりんこ星は、やきものが多少被害を受けましたが、あの揺れの中では仕方が
なかったかと思います。
翌日は 11年前の震災の時をなぞるように冷たい雪混じりの雨で、いろんな場所を点検しながら 、当時を思い出していました。
何かできることはないかという思いだけがぐるぐるして、目の前のことに集中できず 、
ただうろたえるばかりの日々でした。

でも、今は少し違います。
ここで、自分にできることがある。
それが当たり前でないということも、この世界の様子で 実感しています。
感謝して しっかりやっていくことの先にしか、自分にできることは見つからない
ような気がしています。

もうすぐ Weekend gallery が 始まります。
今日は 一日中 窓拭きをしました。
ポツリポツリと咲き始めたユキヤナギや、数え切れないほどの蕾をつけた木瓜
春の庭と一緒に、皆様のお越しをお待ちしています。

 

2022年 3月24日 記す  山田ナオコ

 

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