庭に降ろした冬咲エリカ


 

 

  アシスタントが綴る 5月  

 

柔らかな空気と温かな光の中で、那須の木々は 枝先の新芽をぐんぐん膨らませてい
ます。パステルカラーの点描のような景色の中、車を走らせているだけで 気持ちは
弾みます。今日は 何をしようか?二つの展覧会が控える今春は、やれることを早く
済ませてきたお陰で、少し余裕がありました。

それは藤沢での個展搬入の前日、穏やかな朝でした。
写真家の Y さんに まとまったデータを送ることになり、パソコンをひらくと、データを収めたHDD(ハードディスク)の表示がありません。 ハテナ?
思いつく限りのできることを試してみたものの、データを引き出すことはできません。
2009年から現在までの あうりんこ星の膨大な画像とイラスト、DMや カレンダー、本の原稿などの制作物すべてのデータを収めていたので、事態は深刻です。
PC機器に詳しい Fさんに アドバイスを受けたところ、データ管理がかなり甘かった
こと、自力での復旧は 難しいことなどが分かりました。また、高額な費用で依頼して
も、すべてのデータが戻るとは限らないのが 現状とのことでした。

翌日より 藤沢の展覧会の往復というハードスケジュールのお二人に、大きなダメージを負わせてしまったことが申し訳なく、頭を切り替え ここでできることを考えました。
留守番の二日間、外仕事の合間に 使用していないメモリーや 自宅のパソコンなどを
しらみつぶしにチェックしていったところ、画像やイラストを 半分以上見つけることができたのです。
失ったものの大きさを考えると 残念な気もしますが、残された素材を活用していこうと思いました。

帰宅したお二人にお伝えすると、「よし、それで行こう」となりました。
これからのトラブルに備えるための3重のバックアップ設定も、昨日ようやく終了。
大けがをしましたが、しなければいけなかったことが 今できて、本当によかったと
思っています。

2023年 4月24日 記す  山田ナオコ

 

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