まもなく鳥にたべられる


 

 

  アシスタントが綴る2月  

 

今朝の気温は-4℃。空は晴れているのに鳥の声もなく、ひどく静かです。
雪の予報がはずれてよかったーと 那須に向かって車を走らせていると、那珂川の橋を渡ったあたりから 雪が降ってきました。松林をぬけた先の那須インターはすっかり雪をかぶっていて、あうりんこ星に着く頃には本降りの雪。もう5センチほど積もっています。
20分ほどしか離れていない距離で この差。何度経験しても 驚いてしまいます。

温室の中で使用しているジョーロの水漏れが、ひどくなってきました。
長い筒部の根元と タンク本体の間から、袖口に水が入り込んできます。
ズボンもびしょびしょ。この時期にはこたえます。
修理をしようと思うと加藤さんに伝えると、なんとも言えない表情。
伺うと、かつての私の所業が・・・。

盆栽用のジョーロは、ハス口と呼ばれる水の出口がとても重要です。
とても細かい穴から均等に出る水流は 柔らかく、植え替えしたての
落ち着いていない表土も 動かしません。
しかも絶妙な水圧もあるので、水をしっかり 鉢の中まで浸透させます。
勤めてまもない 何もわからない私は、加藤さんのことわりもなく、そのハス口の細かい穴を、掃除のつもりで、千枚通しか何かでグリグリと広げたのです・・・。
均等に開いていた穴は 見事に破壊され、そのハス口は 使用できなくなりました。
その後の細かなことは覚えていませんが、とんでもないことをしたという記憶は
鮮明にあります。
わからないということが、わからない。当時の自分を叩いてやりたい。

修理をするのは、戦前につくられた貴重なジョーロ。使用している盆栽園は
ほとんどないのではないかということでした。
加藤さんの気持ちが・・・よくわかります。
最低限の修理に留めることを 約束しました。

2025年1月18日 記す   

 





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