ホーム お知らせ プロフィールと仕事 日々のスケッチ あうりんこギャラリー 加藤文子のページ 小沼寛のページ お問い合わせ

 

   「  有効な木となろう ー40年の軌跡ー 」                   栃木・益子 gallery noie

2021年12月3日 - 12月12日 


奏デル盆栽 随想編 製作記念企画展によせて

 

「奏デル盆栽」の世界は、ひとことで言い表せない。

植物と向き合って数十年。
植物を育てることは、自分を育てること、と
加藤さんは、植物たちの世話をしながら、植物たちの声を聞く。
笑い声を聞き、うめきを察し、涙をぬぐい、
弱ったモノたちを看病し、新しい住まいも提供する。

植物たちと苦楽を共にしてきた。

空気の振動のようにか細い声を聞き逃すまいと、
水やりをしながら、会話をする。

気が遠くなるような静かな日々の繰り返し。

しかし、その中から見えてくる小さな変化が、
鉢の中の世界を変えていく。

彼女の声、彼女の眼差しを一身に受け、
植物たちは自分の居場所を探しながら、自分らしい姿になっていく。

健気で愛らしい姿に、癒されもするが、
時に過酷な競争にさらされ、淘汰もされていく厳しい世界でもある。
彼女は、そのこともすべて包み込んで、寄り添い続ける。

小さな鉢の中の世界は、私たちの住む世界と同じであり、
広く宇宙そのものである。

私はこの世界をもっとたくさんの人と共有したいと思い、
本をつくらせていただいた。

でも、私よりもっともっと以前に
彼女と植物の魅力の虜になり、彼女の元に通い、
写真を撮り続けていた人がいた。

岩瀬陽一さんだ。

岩瀬さんの世界と加藤さんの想いが
一人でも多くの人に伝わりますように。    noie 東村 直美

 

あうりんこスケッチ2011にもどる