福寿草が 突然ひらいた









 

 

  アシスタントが綴る 4月  

 


風花の舞う中、梅の花が満開です。
暖かい日もだいぶ出てきましたが、朝晩は 時に氷点下になる那須。
寒がりの加藤さんと二人、相変わらずコロコロに厚着をしたまま 仕事をしています。

ギャラリーの準備で みんなが歩き回っているため、柔らかだったRの家の庭の土は、
しっかり締まってきました。焼き物の展示場所は外にもあり、季節の植物もおけるよう 盆栽棚も設置したので、いろんな場所の景色を楽しんでいただけたら嬉しいです。

Rの家に 日に幾度となく出入りをし、細々した整理や 掃除をくり返すうちに、小さな
ことが日常になっていることに気づきます。ドアを閉める時の力の入れ方、台所の
蛇口の水圧調整なども わかってきて、作業がしやすくなりました。
何かに似ていると思ったら、新しい場所に引越した時に感じる、ぎこちなかった空間に ある日ふっと愛着がわくような感覚です。
春の気配に背中を押されながら、なんだかワクワクしています。

やる気はありますが、それを持続できる体力がないので、「あまり 張りきらない
ように。」と 加藤さんにたしなめられてしまう日々です。
楽しい気分をエネルギーにして、目の前の仕事も きちんとせねば。
取り込んでいた我家の草の根洗いを表に出し、古葉を取りのぞいて、置き肥を
しました。
新芽が1㎝ほど出揃っていた 風知草に、「 遅いよ 」と 言われた気がしました。


 2019年 3月 24日  記す  山田 ナオコ

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