温室


 

 

  アシスタントが綴る 6月  

 


上手になったウグイスの鳴き声が響く、あうりんこ星。
新緑の勢いが 止まりません。
年々大きくなる 周りのコナラの若葉が 青空を覆うように広がり、ミドリに埋め尽くされそうです。隣の竹林からは、タケノコが続々と生えて庭に侵入して来ています。外小屋の床板を持ち上げてしまうパワー。ちょっと怖いような 圧倒される生命力。
植物の美しさに見とれてばかりはいられません。
競うように枝葉を伸ばし始めた庭木の手入れも、本格始動です。

こうなってくると、やっかいなのがコナラの花柄のシャワー。
少しの風でも、新芽や花柄がとめどもなく 盆栽や庭に降ってきます。空中でふわふわと絡まりあい まりものようになって、大量に落ちてきます。
しかも小さな毛虫も乗せて ・・・。
早めに、柔らかい新芽を傷つけないよう 慌てず、絡まる花柄をそっと落としながら、植物の状態をチェック。若葉の後ろに、花の中に、幹になりすましながらひっついている毛虫を、今年はもう素手で捉えるようになりました。
そうしないと もう間に合わないくらい、この春は 悲しいほど毛虫が多い。
もう 西洋カマツカは 食べられていない葉の方が、少ないのではないでしょうか。

観察に慣れてくると、目の焦点が毛虫の毛をとらえて 自動的にクローズアップしてくれるようになります。意識より先に目の補正がなされている感覚に、人の持っている能力ってすごいなぁなどと感じながら、淡々と棚をめぐり、虫とりは続きます。

 

2021年 5月18日 記す  山田ナオコ

 

 

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